ウォリアーズを始めるにあたっての思い(後編)長江有祐

「夢を追い続ける選手」に「元トップ選手」が経験を活かして指導をし、
次の世代を育てていける環境が整備されたらどうなるでしょうか?

自分がトップレベルでプレーしながら学び、培った技術などを次の世代に伝えていけるのです。「技術の継承」ですね。元トップ選手は週末を使い「働きがい」を感じながら充実したセカンドキャリアを送り、若い世代の夢を応援することができます。そこで夢を叶えた人がトップ選手となり現役生活をやり切って引退した後に今度はコーチとしてウォリアーズに戻ってくる事も可能です。自分が夢を叶えるために応援してくれた人たちへの感謝の思いを胸に次は自分が夢を追いかける若い世代を応援します。これによって「持続可能なラグビー組織」ができていきます。

私はこの構想を持ち、現役生活を送りながら何年もかけて準備をし、この考えを確信に変えるためにニュージーランドに約2か月間、組織づくりやコーチングを学びに行きました。

そこでこんな言葉に出会いました。

『良いコーチはチームを勝たせることができる、素晴らしいコーチは選手の人生を変えることができる』

私の心に響く素晴らしい言葉で、自分の考えは確信に変わりました。だからこそウォリアーズは「人を育てる」という理念を持ち活動をしていきます。ただラグビーを教えるだけの場所にはしません。昨年からのコロナ禍で活動を延期してきましたが、2021年4月より、活動を開始。元トップ選手がコーチとなり、練習を行っています。現状はウォリアーズとして、チームが組めるほどの人数がいないためウォリアーズと連携してくださった中部大学ラグビー部さんの練習や試合をサポートしています。

まだどうなるかわからないウォリアーズという組織の可能性を信じて連携してくださった中部大学ラグビー部さんには感謝しかありません。ウォリアーズという組織があるから、元トップ選手である2人は活躍の場が生まれ「働きがい」を感じて次のトップ選手を育てています。今まではバックスを経験していたコーチが1人しかいない中でチームを強化していましたがこのウォリアーズという組織を作ったことで元トップ選手のフォワードコーチとバックスコーチを迎え、教える場を生み出しました。その2人は引退後、社業をしながら別のチームでコーチングを学びウォリアーズに参加してくれました。

今後はたくさんの元トップ選手と成長していくことができるチームをつくり「スクール」「アカデミー」なども開校していきたいです。元トップ選手が「働きがい」を感じ指導を受ける若い世代は「質の高い教育」を受けることができる組織です。「働きがい」や「質の高い教育」という言葉をあえて使っているのですが、私自身が「ラグビーを通じて出来るSDGsの取り組みはないか?」という事をよく考えているのでウォリアーズでは、ウォリアーズなりのSDGsの形で持続可能な世の中の実現に貢献していきたいです。そして、無限の可能性を秘めた「ラグビー×SDGs」という形で、スポーツイベントの準備もしていますし、地域・企業・学校と連携した活動も準備しています。「ラグビーが上手くなればいい」ではなく、このような活動から「人を育てる」という理念を追求していきたいです。

私は、この「ウォリアーズ」を通じて「地域にラグビーの文化を根付かせラグビータウンを作る」ということを、また一つの夢として持っています。「元トップ選手が若い世代を育て、そこからトップ選手が生まれる。その選手が現役生活を送りながらコーチとしての経験を積み、現役引退後にまた次の若い世代を育てる。そんな環境に夢を追いかける若い世代がどんどん集まり次のトップ選手になっていく」というサイクルを生み出し、そのサイクルを地域・企業・学校などの連携から応援する。この形こそが私が思い描くラグビータウンです。

キッズ世代からトップチームまで、まずはラグビーを楽しみながらチームとしての勝利だけを目指すのではなく「人を育てる」ことを大切にし、日本のリーグで活躍する選手、日本代表で活躍する選手、世界に羽ばたく選手を育てることが目的です。ウォリアーズは、まずは私がラグビーに出会った街、愛知県春日井市からスタートしますが日本のいろんな地域で「ウォリアーズ」のような組織が作られラグビーによって地域を盛り上げラグビーの文化を作ることができたらこんなに嬉しいことはありません。そして、10年、20年先ではなく100年先まで地域に愛されながら存在し続け日本だけではなく世界という広い視野を持つ組織となって活動していきます。

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